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第7話 旧時代…小出し版1

2009.03.13 *Fri
話が続くにつれ、どんどんメモ帳の容量が増えます。一話毎に。
大体第1話の倍が第6、5話です。なんということでしょう……。

そして更新が遅れております。あぐ。頑張ります。
とりあえず今日さっき書いた分のアップです。今回の7話は繋ぎなので短いです。
あと小出し分も短いです。
ようやくエレパーティーイン。


では続きからどうぞ
※小出し版は後日削除されます。


「やっぱり何処にもいないみたいです。フラメシュ」
 ポルポタ付近の浜辺にて、落ち合う時間通りにまずエレが戻ってきた。ほぼ同時に到着したセティールに対し彼女は言葉を投げかける。
 続いて戻ってきたのはエル。二人の姿を確認するなり、近付く途中から両腕で罰印を組んでいた。
「こっちもいないー。あと帝国兵もみんな何処か行っちゃったって。モティさん達とかみんな不思議がってたけど」



 事の始まりは数日前に遡る。珠魅の都市から戻って来るなり、家に帰らせたはずのチョコボが付近を彷徨き、尚かつ背中に何処から拾ってきたのかエレが背負われていた。
 どうも途中で行き倒れかけていたようだが、幸いにも先日セティールがあげたカサブランカが彼女の翼に添えられていたのが原因だろう。元々セティールの魔法がきっかけで出来た副産物とも呼べる。主人と同じ気配がすると、人間の嗅覚では判断できない匂いや、マナの気配を敏感に察知してか、道端でチョコボが拾ってきたと大方予測できた。
 目覚めたエレはどうして自分がここにいるのか混乱していたが、取り乱すこともなく、冷静に自分の周囲に起きた現状を語った。

 まずポルポタにてフラメシュが拉致されたと、耳にしたらしい。エレ自身も現場にはいなかったのだが、噂好きのアマレットが大変慌てた様子で伝えてくれたらしい。
 彼女の行動は早く、直ぐさま言伝をアマレットに預け、帝国兵の跡を追跡した。しかしポルポタにも痕跡はなく、想像以上に彼等の次の目的地が想像できず立ち往生していた。その中、こちらで帝国兵を見かけた噂、恐らく先日の都市襲撃関連の人間だろう――それだけを頼りに彼等を追いかけようと飛び回った。この数日かかる道程をほぼ1日に短縮してしまうほどの速さでだ。確かに地上よりも空中の方が高速移動は可能だが、それでも常識外れだった。だからこそ、どれだけ彼女が憂慮しているのかが窺える。
 エレは殆ど体を休めていないのか、先日よりも少し目に光が無く、やや虚ろさが滲んでいる。しかし気丈にも彼女は動き続けている。むしろ何かしていないと今にも倒れる可能性の方が高い。最早気力だけで体力を補っていた。それでも彼女自身の美しさは変化がない。不思議なことである。
 セティールとエルは勿論帰宅を許されないまま、エレを同伴し数日ぶりにポルポタへ訪れた。衣類はぼろぼろのままで外套で哀れな身形を隠している。まぁ、いつも旅に出ればこんな結果しかないので、半分セティールは諦めていた。

 細波が足下を掬い、引いていく。いつの間にか海水に完全に浸っていたようで、セティールの靴は完全に湿っていた。数歩移動し、足を軽く振る。ぐちょぐちょと嫌な感触がした。
「バーンズはどうだったの」
「いなかった。予想はしてたけど、まだ航海中だな。港にも船がない」
「そんな。じゃあどうやって海の向こうに行けばよいのかしら」
「そもそも帝国領が何処で、都市が何処にあるのかすら、俺等はしらねぇっていうのが問題なんだよな。バーンズだったら詳しいと思ったけど。タイミング悪すぎだ」

 航海くらいなら、距離にもよるがスカイドラゴンやカンクン鳥の力を借りれば希望はあった。
 しかし帝国領土は既にこの大陸には存在せず、本国も王都も遙か水平線の彼方である。只でさえ別大陸の存在すら知覚していない人も多数いるというのに、その国の一つの王城を探索するとなるとあまりにも情報が不足していた。時間を掛ければ調査も可能だが、事は一刻を争う。フラメシュが水から引きずり出された瞬間終わってしまうのだ。
 不死皇帝は何故か自らの絶対の死を望んでいる。以前骨の城で邂逅したが、あれ以来、訪問しても一度も会うことはなかった。ジャジャラの話では常に護衛している忠実なドラグーンではないと言う。当時告げられてセティールは、不死皇帝の投げやりな態度に納得した。何処か彼は嫌々引き受けている傾向、どちらかというと疎ましい感情が見え隠れしていた。
 ジャジャラ自身も彼の心情は分かっており、特に脅威が近付かない限り放任していた。また、秩序を乱す大規模な戦乱でなかったため、前回の珠魅の都市を襲撃する真似に出た際も、制止しなかった。ジャジャラや知恵の竜からしてみれば、下手に手を出せばパワーバランスを崩すというのも本音だった。風が吹いたとはいえ、まだ壁は厚く高いのだ。薄々勘付いていたとはいえ、セティールは何となく胃の辺りがむかむかしてきた。

 けれどセティールとしては理解不能だった。むしろしたくないが正解に近い。どうして死にたがるのか、全く想像できないからだ。死を望んでいる理由も、現状も他人から聞いた噂でしかない。だからこそ余計だ。
 一度どころか数回、セティールは死の淵を彷徨い、奈落に落ちかけた。死の間際、体は冷え切り、心もなくなり少しの寂しさが残った。あの感覚は出来ればそう幾度も味わいたくない。生きているだけで泣きたくなるほど嬉しいことなはずだった。例えば今日も誰かが死んでいる、それでも自分は生きている。それはある意味あまりにも低い確率の世界を漂っているものだ。平行世界があるのならば、もしも、がいつまでも続けばきっとそんな未来もある。
 セティールにとって生きるのに難しい理由はなかった。世界を見たい。美味しいものを食べたい。口喧嘩をしたり、道端に寝転がったり、町の人と話をしたい。誰かと一緒にいたい、家族のそばにいたい。守りたい。一緒にいたい。それだけだった。それだけで今日もしぶとく生き延びている。
 思考が別方面へ走り出し、かぶりを振った。そんなことを考えている場合ではない。

 エレは先刻から落ち着き無く、彷徨いている。フラメシュの見つからない現実に、焦燥感でいっぱいになり自身を追いつめていた。対照的にエルはぼうっとポルポタの町並みを眺めている。実に、そう、やる気がいまいち沸かない状態だった。視線の先の花売りは変わらず笑顔を振りまき、青いワゴンは相変わらずの盛況ぶりだ。しかしこちらにあるのは微かな疎外感。エルは目を伏せた。
 前に話題にあげた。いつかエレやリュミヌーが助けを求めに来ると。セティールはあの時なんと回答したか、思い出せなくて、ああ、無言のままでいたのだと分かった。けれど互いにきっと助けてしまうのだと、変な予測を立てた気がする。今がまさにそれだ。想定内に収まってしまったことに、エルは余計に複雑な心境に陥っている可能性が高い。態度がいかにも躊躇うような、とにかく様子がおかしかった。

「セティールさん、どうしましょう。フラメシュ、今頃泣いていないかしら」
「ひとまずエレは一回休んだ方が良いぞ。ずっと無理してたんだろ。駆け回ったりしてろくに食べてないだろうし」
「ありがとう、でも大丈夫。これくらいはまだ頑張れます」
 セティールが反論しようと口を開き掛けたところ、別の発言に遮られた。
「帝国に詳しい人だけど心当たりなら、あるよ。多分あの家系なら、ううん、間違いなくそこら辺熟知してるはず」
「本当!?」
 泣き出しそうな勢いで、エレがエルへと期待の眼差しを向けた。向けられた相手は気迫に押されて半歩後退しつつ、視線が泳いでいた。
 目が合った。ヘルプと瞳が語っている。セティールは嫌だと首を振った。相手にも首を振られた。仕方なしに肩をすくめてみせた。今回限りのツケとしよう。

「でもな条件がある。エレこれから向かうにしても、今のエレだと足手まといだ。間違いなく途中でぶっ倒れるな。賭けても良い」
「そんなことは」
「でも付いていきたいんだろ。だったら一旦ちゃんと食べて、寝ろだとよ。それが連れて行く条件だ」
 セティールへと向き直ったエレは項垂れた。数秒後小さく、しかし渋々と返事があった。了承して貰えたようだ。ほっと息をつく。
 エレ自身も疲れは全身で感じていた。しかし憂いが強まるにつれ、自分だけ休むわけにはいかないような、義務感で突き動かされているところも確かにあった。指摘されたとおり、これでは間違いなく途中で倒れてしまうと一通り納得はした。けれど長時間は休みたくないと、彼女はセティールに伝えた。こちらも了承された。
 シーサイドホテルでも何処かで休憩しようと、移動を開始した。脇を通り過ぎる間際、セティールはアイコンタクトを試みた相手を小突いた。一応小声で意見は伝えておく。
「こういうことはちゃんとお前が自分の口で言え」
「やだ」
「即答すんな」
 最後だけ通常の声量になってしまった。前方を歩くエレが怪訝そうに振り返ってきた。何でもないと、手を振り応える。

「で、次は何処に行くんだ」
 今度は反撃とばかりにデコピンを一発あびた。しかも結構痛い。手加減は勿論しているだろうが。本気を出せば彼女ならデコピンで岩も破壊できると信じている。いや、そんなこと口が裂けても本人に言えないが。
「決まってるでしょ。寺院に行くの」
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最近の迷言:いつだって難産



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素敵企画を発見したので思わず。



本編目次

全14話予定

セイレーン編
第0話 世界の象徴
第1話 長くも短くもない一日( )
第2話 人魚の願い( )
第3話 鳥乙女の願い( )
第4話 寄り道道中( )
第5話 閑話休題( )
第6話 煌めきの都市防衛戦( )
第7話 旧時代
第8話 人形の願い
第9話 少しだけ長い一日

聖域編
第10話 鏡面世界
第11話 とても短い一日
第12話    の物語
第13話 聖域へと至る軌跡
第14話 ふたりぼっち
エピローグ

以降小出しにて更新中(現在第7話迄)



番外編目次

【時間軸】
ゲーム本編中:

サイト本編中:
現実と理想の差異による只の散歩
サイト本編後:
瑠璃くんの無駄に長い一日



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